LPの反応が悪いと、まずキャッチコピーを書き直したくなります。 AIへ頼めば、十案でも百案でもすぐに出ます。
選択肢が増えた画面を見ていると、改善が進んだ気がする。 ところが、どの案が誰の何を変えるのか説明できなければ、まだ仮説は一つも増えていません。
LP改善で必要なのは、コピーの量より比較できる差です。
CVRの前に、数える行動を決める
CVRは、訪問した人のうち、決めた行動を完了した割合です。 購入、相談予約、資料請求では、行動の重さが違います。
最初に、今回のLPで数える行動を一つ決めます。 フォームの表示と送信完了を混ぜず、完了をどこで記録するかも確認します。
次に、変更前の期間について、少なくとも次を残します。
- 訪問数と完了数。
- 主な流入元。
- 対象期間に行った価格、広告、フォームの変更。
- 計測が欠けた日。
数字が少ない場合、CVRは一件の増減で大きく揺れます。 小数点以下を細かく比べても、判断が精密になるわけではありません。
LPの問題を三つに分ける
コピーを直す前に、LPの問題を「訴求」「根拠」「摩擦」に分けます。
| 問題 | 読者の状態 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 訴求 | 自分向けだと思えない | 対象読者、課題、約束 |
| 根拠 | 約束を信じきれない | 実績、手順、条件、対象外 |
| 摩擦 | 納得したが行動できない | 価格、入力項目、CTA、表示速度 |
訴求がずれているのにボタンの色を変えても、問題の中心は残ります。 フォームが壊れているのに見出しを変えれば、コピーへ誤った責任を負わせます。
AIには、現在のLPをこの三つへ分類させます。 ただし、読者が実際にそう感じた証拠にはなりません。 問い合わせ、営業メモ、離脱箇所、ユーザーテストと照らします。
読者のBeliefと商品のClaimを一段ずつ近づける
強いコピーは、大きな約束をするコピーではありません。 読者がいま信じていることから、根拠を追って次の判断へ進めるコピーです。
次の四列を作ります。
| 読者の状況 | 読者が信じていること | 商品のClaim | 示せる根拠 |
|---|---|---|---|
| AI副業を調べ始めた | まず多くのツールを覚える必要がある | 一つの成果物から始められる | 初回で作る成果物と確認手順 |
Claimが根拠より大きければ、表現を弱めます。 根拠があっても読者のBeliefから遠ければ、途中の説明を足します。
ここでAIへ頼むのは、橋の候補です。 存在しない実績、利用者数、期限、返金条件を作らせてはいけません。
AIで作るのは、方向の違う三案
似た言い換えを十案並べるより、仮説の異なる三案を作ります。
たとえば、次の方向へ分けます。
- 課題を具体化する案。
- 進め方を具体化する案。
- 行動前の不安を減らす案。
AIへの依頼には、現在のLP、対象読者、Claim、根拠、対象外、測る行動を渡します。
次のLPについて、方向の異なるファーストビュー案を三つ作ってください。 案ごとに、対象とする読者のBelief、変えたい判断、使用する根拠を一文ずつ添えてください。 入力にない実績、数字、保証、限定性は追加しないでください。 三案は、課題の具体化、手順の具体化、不安の低減に分けてください。
出力を読んだら、文章の巧さより「この差を計測できるか」で選びます。
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無料で動画を受け取る →最初に変えるのは一要素だけ
ファーストビュー、料金、実績、CTAを同時に変えると、結果が動いても理由が分かりません。
一回の検証では、一つの仮説に関係する要素だけを変えます。 訴求を試すなら、価格とフォームは同じにします。 フォームの摩擦を試すなら、見出しと流入条件は変えません。
ただし、明らかな表示崩れや計測不備は実験より先に直します。 壊れた状態を基準として守る必要はありません。
A/Bテストと前後比較を混同しない
A/Bテストは、同じ時期に訪れた人を無作為に複数の案へ分けて比較する実験です。 Google Analyticsの公式ヘルプも、A/Bテストを同一ページの複数案を無作為な標本へ同時に表示する実験として説明しています。 GA4で結果を読む場合は、別途テスト用ツールとの連携が必要です。
現行の説明は、Google AnalyticsのA/Bテスト案内で確認できます。
先週はA案、今週はB案という比較は、季節、曜日、広告、ニュースの影響を受けます。 小規模なサイトで前後比較をするなら、A/Bテストと呼ばず、探索的な変更として記録します。
その結果だけで勝ちを断定せず、問い合わせ内容やユーザーテストも合わせて次の仮説を作ります。
サンプル数を固定の数字で決めない
「二週間」「百件」といった一律の基準では、すべてのLPを判定できません。 必要なサンプル数は、基準のCVR、検出したい差、許容する誤判定、流入のばらつきで変わります。
テスト用ツールの統計設定を確認し、開始前に次を決めます。
- 主指標。
- 検出したい最小の差。
- テストを止める条件。
- 除外する内部アクセスや重複イベント。
- テスト中に変えない施策。
数字が足りないなら、無理に勝敗をつけません。 定性調査で大きな摩擦を見つけ、次の試行へ進む判断もあります。
CTAは、押す理由と押した後を一致させる
CTAの文言だけを強くすると、クリックは増えても完了が減ることがあります。 ボタンを押した後に何が起きるか分からなければ、不安は消えません。
「無料で相談する」と書くなら、料金が発生しない範囲、所要時間、相談後の連絡を示します。 「資料を見る」と書くなら、入力が必要か、すぐ読めるかを示します。
緊急性や残数は、事実として存在するときだけ使います。 AIが作った限定性は、マーケティングの工夫ではなく虚偽です。
結果ではなく、判断履歴を残す
テストが終わったら、勝った案だけを保存しません。
- どの読者を想定したか。
- 何を変えたか。
- 何を固定したか。
- どの数字と声を見たか。
- 何をまだ説明できないか。
この記録があれば、別の流入元や商品へコピーを転用するときに、条件の違いを判断できます。
CVRが二倍になると約束することはできません。 できるのは、何を試したか分からない書き直しを、次の判断に使える実験へ変えることです。
LP以外の導線も含めて整理するなら、ひとりで始めるAIマーケティングを続けて読んでください。