会議中には、たしかに「来週までに確認する」と話していた。 ところが議事録を読み返すと、誰が確認するのか分からない。
ChatGPTへ渡せば、担当者と期限が入った表をすぐ作ってくれます。 整った表を見ると、このままNotionへ自動登録したくなるでしょう。
ここで一度止まります。 会話にない担当者をChatGPTが補っていたら、速く登録できたことがそのまま事故になるからです。
タスク管理の自動化では、転記を消す前に、確認の位置を決めます。
先に手動で一周させる
最初からChatGPTとNotionをAPIでつなぐ必要はありません。
まず、次の三工程を手動で回します。
- 議事録からChatGPTがタスク候補を抽出する。
- 会議の参加者が、担当者、期限、タスクの内容を確認する。
- 確定した行だけNotionへ貼り付ける。
手動の転記は残ります。 それでも、会話からタスク候補を拾う作業と、表の形を揃える作業は減らせます。
この一周で出力が安定しなければ、APIをつないでも安定しません。 曖昧な判断まで自動化されるだけです。
Notionに用意する項目
タスク用のデータベースには、運用で確認できる項目だけを置きます。
| 項目 | 用途 | 空欄の扱い |
|---|---|---|
| タスク名 | 実行する行動 | 動詞で始まらなければ修正 |
| 担当者 | 実行責任を持つ人 | 不明なら未定 |
| 期限 | 完了を確認する日 | 発言がなければ未定 |
| ステータス | 未着手、進行中、完了 | 登録時は未着手 |
| 元会議 | 判断の根拠 | 会議名か議事録URL |
| 確認者 | 登録内容を確定した人 | 自動入力しない |
優先度を入れたくなるかもしれません。 ただ、会議で決めていない優先度をChatGPTに推測させると、判断の根拠が消えます。
必要なら「要確認」という状態を作り、人が決めてから高、中、低へ移します。
議事録をタスク候補へ変える指示
プロンプトでは、タスクの形式より不明情報の扱いをはっきりさせます。
次の議事録から、実行が必要な発言だけをタスク候補として抽出してください。 タスク名は「確認する」「送る」「作成する」など、行動が分かる形にします。 担当者と期限は、議事録に明記されている場合だけ記入してください。 明記されていない項目は「未定」とし、推測で補わないでください。 各タスクには、根拠になった発言を短く添えてください。 出力列は、タスク名、担当者、期限、根拠発言です。
根拠発言を残すと、確認者は議事録全体を読み直さずに済みます。 それでも意味が曖昧なら、元の発言へ戻ります。
ChatGPTへ「優秀なプロジェクトマネージャー」という役割を与えるだけでは、推測は止まりません。 分からないときの出力を指定するほうが効きます。
人が確認する三つの列
出力された表で、タスク名、担当者、期限を順に見ます。
タスク名
「資料について」のような名詞だけでは、完了を判定できません。 「提案資料の金額を確認する」のように、行動と対象が分かる形へ直します。
担当者
発言者と担当者は一致するとは限りません。 「確認しておきます」という発言なら候補になりますが、「確認が必要ですね」だけでは担当者は決まりません。
期限
「来週」「次回まで」は、会議日や次回開催日がなければ日付へ変換できません。 ChatGPTに日付を補わせず、確認者がカレンダーと照合します。
この三列が確定して初めて、Notionのタスクになります。
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手動運用を数回続けると、修正の傾向が見えてきます。
- 担当者が「未定」になる会議が多い。
- 期限の言い方が人によって違う。
- タスクではなく決定事項まで抽出される。
- 同じタスクが複数の発言から重複して作られる。
この段階で、会議の進め方かプロンプトを直します。 自動化は、その修正後です。
Notionの公式APIでは、接続に明示的な権限を与え、ページやデータソースへ行を作成できます。 2025年以降はデータベースとデータソースの扱いが分かれており、APIバージョンによってリクエストの形も異なります。
自作する場合は、Notion APIの概要とデータベースの操作ガイドを実装時に確認します。 ZapierやMakeなどの連携サービスを使う場合も、どのページを読み書きできるかを確認します。
自動登録の対象は、人が「確定」とした行だけに絞ります。 要確認の行まで流すなら、Notion側で別のビューへ分けます。
週次レビューは、原因を決めさせない
Notionにタスクが蓄積すると、週次報告もChatGPTで作れます。
完了、進行中、期限超過の件数を渡し、事実の要約と確認事項を分けて出させます。
次のタスク一覧から、完了、進行中、期限超過を分けてください。 件数とタスク名はデータどおりに記載してください。 遅延理由は断定せず、確認すべき質問として出してください。
タスク一覧だけでは、遅れた理由まで分かりません。 担当者の能力、見積もり、割り込み、依存タスクのどれが原因かは、追加の情報が必要です。
AIに原因を一つ作らせるより、次の会議で聞く質問を作らせます。
会議データを入力する前の確認
議事録には、顧客名、契約、未公開の計画、個人情報が含まれることがあります。
個人向けChatGPTでは、Data Controlsからモデル改善への利用をオフにできます。 ChatGPT Business、Enterprise、APIは、入出力を既定でモデル学習へ使わないとOpenAIが案内しています。
詳しい扱いは、OpenAIのData Controls FAQとBusiness向けデータ方針で確認できます。
ただし、設定だけで入力許可が決まるわけではありません。 会社の規程、顧客との契約、録音への同意が先です。
接続用のトークンやAPIキーを議事録やプロンプトへ貼ることも避けます。 Notionの公式クイックスタートも、トークンをソースコードへ保存せず、環境変数などで管理するよう案内しています。
自動化で消すものを間違えない
会議後の転記は、減らしてよい作業です。 一方で、誰が何をいつまでにするかを決める時間は残ります。
ChatGPTが候補を拾い、Notionが記録を保つ。 人は、曖昧な約束を確定する。
この順番なら、自動化しても責任の場所が消えません。 会議の翌日に「これは誰の仕事だったか」と探す時間も、少しずつ減らせます。
タスク管理以外も含めて改善対象を選ぶ方法は、AI業務効率化ロードマップで扱っています。